相続コンテンツ
文書作成日:2017/12/20


 今回は相談事例を通じて、相続人不存在の場合の特別縁故者への財産分与についてご紹介します。



 私の実母は、私が3歳のときに亡くなりました。その後、私が7歳になる頃に父は再婚し、私は父とその再婚相手の方と一緒に暮らしていました。私は父の再婚相手の方を実の母のように思い、また、父の再婚相手の方も私を実の子のように思ってくれており、学校行事などにも母として参加してくれていました。
 5年ほど前、父が亡くなり、生活に困ることが無いよう、父の財産はすべて父の再婚相手の方が引き継ぐよう遺産分割協議を行いました。
 先般その父の再婚相手の方が亡くなったため、法律に詳しい友人に相談したところ、私と父の再婚相手の方で養子縁組をしていないので、私の相続権はないと言われてしまいました。友人の言うところでは、父の再婚相手の方に実子はなく、父母も死亡しており、兄弟姉妹はいないため、相続人不存在となり、相続財産は国庫に帰属してしまうとのことです。
 私と父の再婚相手の方は、7歳の頃から実の母子同然に暮らしてきました。養子縁組をし忘れただけで、父の相続財産を含めた相続財産が国庫に帰属することは納得がいきませんが、仕方がないのでしょうか。




 正確には、相続関係を証明する戸籍等を確認しなければなりませんが、お話を伺ったところ、お父様の再婚相手の方に相続人がいないことは間違いありません。また、最終的に相続人不存在で、残余の相続財産がある場合には、その残余の相続財産は国庫に帰属するよう法律で定められています。




 ただし、相続財産が国庫に帰属するまでには下記のように一定の手続きがあり、その手続きの中で、家庭裁判所が、相当と認める場合は「被相続人と生計を同じくしていた者」「被相続人の療養看護に努めた者」「その他被相続人と特別の縁故があった者」(これらの者を「特別縁故者」といいます。)の請求によって、特別縁故者に対して、清算(相続債務の弁済など、下記1〜4の手続き)後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる(下記5)との、特別縁故者への財産分与の手続きが定められています。
 あなたは、お父様の再婚相手の方と幼い頃から母子同然に暮らしてきたとのことですので、この特別縁故者に該当する可能性があります。

 なお、この特別縁故者への財産分与は、家庭裁判所が職権で審判するため、必ず相続財産が分与されるとは限りませんが、一度、専門家へご相談することをおすすめします。

【相続人不存在による手続きの流れ】

  • 1.相続財産管理人の選任
     相続債権者などの利害関係人または検察官の請求によって、家庭裁判所は管理人を選任する(民法952条1項)。

  • 2.管理人の公告
     家庭裁判所は管理人を選任した旨を掲示や官報で公告する(民法952条2項)。

  • 3.相続債権者・受遺者への公告
     上記2の公告期間(2ヶ月)経過後、管理人は、いっさいの相続債権者・受遺者に対し請求の申出をするよう公告し、知れたる債権者・受遺者へは各別に債権を申し出るよう通知する(民法957条)。

  • 4.相続人捜索への公告
     上記3の公告期間(2ヶ月以上)経過後、家庭裁判所は、管理人・検察官の請求により、相続人捜索の公告をする(民法958条)。

  • 5.特別縁故者への財産分与
     上記4の公告期間(6ヶ月以上)経過後、3ヶ月以内に特別縁故者からの請求があれば、相続債権者への清算後、残余すべき相続財産の全部または一部を特別縁故者へ分与できる(民法958条の3)。

  • 6.5によって処分されなかった相続財産は国庫に帰属する(民法959条)。


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。


Copyrightc 2009 Confianza group All rights Reserved