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文書作成日:2026/09/20
成年後見制度の改正

今回は相談事例を通じて、成年後見制度の改正についてご紹介します。

Q
今月のご相談

 成年後見の制度が変わると聞きました。この成年後見制度とは、どのような制度で、いつから何が変わるのでしょうか。

A-1
ワンポイントアドバイス

 成年後見制度の改正を含む民法の一部を改正する法律案が、2026年6月17日に国会にて可決成立しました。同年6月24日に公布され、公布の日から2年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行されることとされました。制度の概要や変更内容は詳細解説をご確認ください。

A-2
詳細解説

 成年後見制度は、認知症・知的障害・精神障害等により判断能力が不十分になった方を法的に支える制度で、現行は「後見・保佐・補助」の3類型を前提に運用されています。判断能力の程度に応じて法定の類型を当てはめ、成年後見人等が本人の財産管理や契約などを支援する仕組みです。

 今回の改正の方向性は、この画一的な仕組みを見直し、本人ごとに必要な支援を、必要な範囲・必要な期間だけ与えるという発想へ寄せることが柱です。特に、これまで「利用を開始すると長く続く」色合いが強かった点を弱め、本人の状態変化に応じて見直しや終了をしやすくすることが重視されています。後見人等の権限も、従来よりも個別・限定的に設計する方向が強まる見込みです。

 改正では、次のような見直しがされています。

  • 本人の意思・自己決定をより重視した運用とするため、後見・保佐・補助という3類型のうち、後見と保佐を廃止し、補助へ一本化するとともに、本人ごとに必要な支援を個別に設計する。
  • 現行の後見制度における包括的な権限付与の仕組みを見直し、本人に必要な特定の行為について、補助人に代理権や同意権・取消権を付与する仕組みとする。
  • 本人にとって必要な範囲・期間で制度利用を可能にする。

 今回の改正の目的は、成年後見制度を「本人を保護するための制度」から一歩進め、本人の権利を守りながら、本人の意思と自己決定を最大限に尊重する制度へと転換することにあります。従来の制度は、本人保護に役立つ一方で、本人の行為能力を広く制限し、一度利用すると長期間続きやすいという課題を抱えていました。改正は、この課題を解消し、本人の尊厳を制度の中心に据え直すことを目的としています。

 改正後は「後見が必要だから後見を使う」ではなく、「この財産管理や契約のために、どのような支援が必要か」を先に考える場面が増える見込みです。

 任意後見・家族信託・財産管理契約などとの比較検討が、これまで以上に重要になります。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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